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土地探しをする前に
皆さまこんにちは。
シンプルノート岡山北/倉敷スタジオの木村です。
家づくりにおいて、なんとなく当たり前のように受け入れている常識的な考え、いわゆる「固定概念」と言われるものは、家づくりの予算を押し上げる原因となるものが多かったりします。
例えば「南側道路(南向き)の土地は人気がある」と言ったような。一般的に日当たりがいい土地が最も良いとされているからです。
その結果、需要が供給を上回り、割高な価格がつけられ、なおかつ値引きの余地もなくなります。
そして、南向きの土地の利点を活かせるように部屋を南向きでつくることになれば、これもまた家の予算を押し上げる隠れた要因となります。
南向きの利点を活かすためにお施主様はおそらく、大きな窓を設けるはずです。
この「大きな窓」に予算押し上げの要因が隠れています。
理由はオプション品が割増で必要となるからです。
まず割増で必要となるのが「シャッター」です。
南向きの土地は台風の風がモロに直撃するので、ガラスに何かが飛んできたら大変なことになってしまいます。
その上、大きな窓を見ればなんとなく間取りが分かってしまうし、夜になると(電気の点灯で)使っている部屋まで分かってしまう。といったように、防犯面においても不安要素なってしまいます。
そういった理由で、不安がつきまとう大きな窓には「シャッター」というオプションがセットでくっついてくる。というわけです。
ちなみに、シャッターは安く見積もって、窓1つあたり10万円くらいはします。
そして、必要となるもう1つのオプションが「カーテン」です。
南向きの窓は1日中直射日光が差し込んでくるため、カーテンがないと眩し過ぎる、光線で液晶画面が見にくくなる、家具や雑貨が焼けてしまったりもします。
なによりもカーテンがないと、外から家の中が丸見えになってしまい、落ち着いて過ごせません。
家で居る時は寝癖ボサボサのままだし、家着(パジャマ)のままだし、ゴロゴロと過ごしているのが普通ではないでしょうか?でも、流石にそんな姿をご近所さんたちにお披露目出来ませんよね(笑)
そんなわけで、人目が気になる大きな窓にはレースカーテンはもちろんのこと、中が隠せるドレープカーテンまで一緒に必要となってくるのですが、これらもシャッターと同様に窓1つあたり5万前後で追加費用がカウントされていきます。
さらに、南向きの土地は
外構工事も余分なコストがかかりやすいという特徴を持っています。
先ほど述べたような防犯性の悪さを外構工事でカバーせざるを得ないからです。(知らない人が敷地の中に心理的に入ってきにくくする工夫ですね。)
また、南向きの土地では
ウッドデッキを作るにしても、道路に面してつくることになりますが、これも目隠しなしではとてもじゃないけど使えません。
こここそ、完全に丸見えとなる場所ですからね。
それゆえに、デッキ工事にプラスして、なんらかの形でデッキを隠すような工事をせざるを得なくなるのですが、この目隠しに関しても天然の木でつくれば比較的割安につくることが出来ます。
が、維持管理の手間はかかるし、経年すれば木は朽ちてきます。
では、絶対に朽ちない木目調のアルミ製で作れば良いのでは?
その通りです。その代わり、
コストは高くなり、70、80万円~もの費用になってしまいます。
まとめると、
・土地は日当たりがいいほど良い、
・部屋は南向きが良い
・南向きの窓が多いほど良い
昔から多くの方が信じてやまないこの3つの固定概念には、その延長線にさらに高い買い物をしなければならない。という負の側面(欠点)を持っています。
土地代が高くなり家代も高くなり、その上外構代も高くなる。
その結果、
銀行からの借り入れも増え→利息の支払いが多くなり→
→家計のゆとりが少なくなる。
ちなみに、私は「南向きの土地が良くない」と申すつもりは全くありません。南向きの土地は裏返すと、需要も高く資産価値が高いため、将来的に売却の可能性があるなら南向きの土地はとっても良い土地であるということになります。
しかし、永住するつもりでそういった土地を購入されるのであれば、
このような事実も知っていただいた上で土地探しや家づくりに取り組んでいただけたらと思います。
それでは、また次回。